引用は正しく使えばユーザーにメリットを提供することができる。ユーザーメリットを提供するサイトはGoogleの評価対象となり結果的にSEO効果が期待できる。
著作権とは
人が独自に創り出した画像や文章などの表現物を「著作物」といい、その著作物を作った人のことを「著作者」という。
そして、著作物が他の人に無断で利用されたり転載されたりしないように、著作者を法的に守る権利のことを「著作権」いう。
画像や文章などにこの著作権が認められると、無断でこれらを転載したり利用することは「著作権侵害」として違法になる。
正しい引用は著作権侵害にならない
ただし、他人が作った画像や文章など利用したとしても、すべてのケースで違法になるわけではなく、著作法では、「引用」も含め、以下のケースに当てはまる場合は、例外的に他人の表現物(コンテンツ)を使っても「著作権侵害」とならず、違法ではないとしている。
そもそも著作物ではない
著作者の許可を得ている
引用
転載が許される場合(著作権法32条2項、39条、40条)
まず以下のフローをチェックしよう。下記3ついずれかの場合は、著作権侵害にはならない。
そもそも「著作物」にあたらない場合
他人の画像や文章を転載して著作権侵害になるのは、その前提として、あくまでもその画像などが「著作物」として保護されている場合に限るため、
たとえば、落書きなど「著作物」と評価できないものを転載しても、合法であるため、そもそも「引用」を検討する必要がない。
「著作物」とは、オリジナリティのある表現物のことだが、厳密にいうと、以下の1~3をすべて満たすものをいう。
・作者の「個性」が表れていること
・「表現」されたものであること
したがって上記条件を満たさない場合は「著作物」にあたらない。具体的に下記の場合だ。
・ありふれた表現や題名、ごく短い文章
・歴史的事実やデータ
・事実の伝達にすぎない時事報道など
・プログラム言語やアルゴリズム(解法)
・法律、通達、裁判所の判決など
・著作者の死後50年以上経過した著作物
・公表後70年を経過した映画の著作物
・アイデア
・実用品のデザインなど
引用とは?
引用とは、他人が作成した文章や画像、写真などを、自身のウェブサイトやブログのコンテンツ(記事)の一部で紹介することを指す。
また、引用は他人の許可を取る必要がない。そのため、「無断で使用したとしても、法律で罰せられることはない」ということになる。実際、「著作権法32条(引用)」で以下のように引用を許可しています。
公表された著作物は、引用して利用することができる。
引用を行うことで、他人の意見を元に議論を展開したり、自身の主張に根拠を示したりできる。これが、引用を用いる理由だ。
引用をすることで、自身の意見が強化されて、説得力のある文章を作ることができるようになる。
引用のルール
引用の際のルール(要件)は、文化庁の「著作権制度の概要」に紹介されている。
・他人の著作物を引用する必然性があること。
・かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
・自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
・出所の明示がなされていること。(第48条)
“引用の必然性があること”
他人の著作物を引用する必然性があること。記事中に、「他人の文章や画像、写真がなければ説明できない」状況が必要となる。
“自分の著作物と引用部分の区別がされていること”
引用の際は、引用符「“”」を用いてその部分を明確に示す必要がある。
“自身の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自身の著作物が主体)”
他人の著作物を引用する際は、自身の文章がメインになるように記事を構成する必要がある。引用はあくまで「根拠」を示すものとして使用される。
“出所の明示がなされていること(第48条)”
引用の際は、必ず引用元である「情報源(ソース)」を記載する示す必要がある。
引用を改変せず、原文を載せる
たとえ意図が同じ場合でも文章の変更はできない。もし文章の前後、中盤を省略する場合は(前略)(中略)(後略)などを用いればよい。
正しい引用方法:HTMLタグ
引用時に使用するタグは2種類あり、引用する文章の長さによって使い分ける。
blockquoteタグ
「blockquote(ブロッククオート)」は、引用をGoogleなどのクローラーに示すHTMLタグだ。主に長い文章(ブロック要素、段落)を引用する時に使用する。
Quotationタグ
「q(クォーテーション)」はQuotationの略で、~
で 囲まれた部分が引用であるこ指す。qタグは一部や短い分を引用する際、引用文を~
で括れば引用と認識される。
画像におけるの著作権
たとえば、自分が撮影した写真であれば当然自分に著作権が生じる。
それと同時にそこに映り込んでいる物に対しても肖像権やパリシティ権が生じる。
パブリシティ権で注意が必要なのは芸能人やスポーツ選手などの有名人。
引用元を明示したとしても、アクセスアップや広告目的と判断されれば、権利を行使される場合がある。
画像引用の方法
「引用」とは下記の4項目のが当てはまる場合だ。
- 引用符を利用する必要性がある
- どこを引用しているかわかるようにする
- 引用ばかりのコンテンツになっていないか、引用はあくまで補足程度であること。
- サイト名やURLなど、どこから引用してきたかを明確にする
画像については、引用元の画像URLをそのまま使用する“直リンク”は避ける。
理由は画像表示の都度、引用元のサーバーリクエストされるため、負荷がかかる。
そのため、画像は一旦ダウンロードしてからFTPやCMSのファイルアップローダーを使して、自身のサーバーから再アップする。
まとめ
文章や写真の引用方法を間違えると無断利用と判断され、思わぬ結果を招きかねない。他人の文章や画像などを利用する際には、必要性を判断し、十分な注意を払う必要がある。
具体的なHTMLタグの使い方は文章の文字量に応じてblockquoteやqを使い分け正しくGoogleに伝えよう。
画像の引用は引用元のリンクパスを使用せず、自身のサイトに再アップし、そのURLを使用すること。
コメント